ステロイドの内服か点滴
突発性難聴は原因の特定が難しい難聴ですが、内耳に炎症が起きている状態だと考えられているので、お医者様が突発性難聴と判断されれば、炎症を抑えるためにステロイド治療が始まります。
内服でも点滴でもステロイドは同量のため、効果に差はないとされています。ただ、内服では薬効の効き目に波が生じるのに対し、点滴では直接血液に投与できるので、血中濃度が一定となり効き目が速やかになることや、点滴中は安静を保てることから、なるべく入院治療をしていただくことをおすすめ致します。
鼓室内ステロイド注射
ステロイドの内服や点滴をおこなっても治らない場合は、鼓膜に直接ステロイドを打つ方法もあります。
内服や点滴と比べ全身に及ぶ副作用が少ないとされており、鼓膜に穴が開いても自然に塞がることが多いですが、複数回注射を繰り返すと穴が塞がらず、細菌が入り込んで感染症を引き起こすこともあるため、継続には注意が必要です。
高気圧酸素療法
高気圧酸素療法は、高濃度の酸素で満たされたカプセルの中に入り、血液中に多くの酸素を送りこんで血流を良くさせる治療法です。
治療中に耳詰まりを感じたら耳抜きが必要となりますが、うまく出来ない方だと滲出性中耳炎を発症する場合もあるので、体調不良や異変を感じたら我慢せず、すぐに担当の先生に相談されることをおすすめします。
抗血栓性末梢循環改善剤
突発性難聴は原因の特定が難しい重度の難聴ですが、ウイルスか血液循環障害という説があり、血液循環障害が濃厚だと考えられる場合は、ステロイドやビタミン剤と併用し、抗血栓性末梢循環改善剤(デフィブラーゼ)を使うお医者様もいらっしゃいます。
※抗血栓性末梢循環改善剤を使うケースでは、入院治療が必要です。