突発性難聴と労災
更新 2023.05.08
おそらく職場のストレスが原因で、突発性難聴を発症したのではないかとお医者さんに言われたのですが、労災は使えますか？
職場の騒音が原因と証明できる難聴なら、労災保険の対象になる可能性はありますが、「突発性難聴」だと、原因の特定やストレス値の証明が困難なため、労災の対象にはなりません。
ただ、申請をすれば傷病手当金を受け取れる可能性があるので、一度耳鼻科の先生にご相談いただくことをおすすめします。
突発性難聴の労災認定は難しいですが、このページでは、突発性難聴の方が受けられる支援や、突発性難聴になったら仕事をどうするか、どんな治療をしたら良いかについてをまとめました。参考にご覧いただけますと幸いです。
お医者様からストレスが原因と言われても、ご自身でストレスを感じている自覚があっても、突発性難聴の発症は「職場環境だけが原因」という証明や特定が難しいので、労災認定はできません。
工事現場で働く方や、インカムを使っている方などは、日々騒音にさらされているので、認定要件はいくつかありますが(例えば85デシベル以上の騒音下で5年以上働いてきたなど…)、すべての要件を満たしていると判断された場合、労災の対象になります。
傷病手当金は、病気やケガで働けなくなった被保険者が、会社を休んで十分な報酬を得られないときに、健康保険から支給される手当です。(支給額は、概ね給与の3分の2となります。)
騒音性難聴(職業性難聴)のように、職場の騒音が原因と判断された場合は労災の対象ですが、突発性難聴は労災の対象とはならないため、傷病手当金の申請をすると、支給が受けられます。
※国民健康保険は傷病手当金が出ないことなど、支給条件が複数あるため、事前に確認してください。
申請をするときは、特に医師の診断書の提出は必要ありませんが、突発性難聴で仕事ができない状態ということを、「療養担当者記入欄」に記載しなければいけないので、耳鼻科の先生に相談し、記入をお願いするようにしましょう。
障害年金は、病気や何かしらの障害が原因で、日常生活や仕事が制限されるようになったときに、国から支給される年金です。
難聴の場合ですと、両耳難聴は障害年金受給の対象になりますが、片耳難聴だと対象になりません。ただ、片耳の聴力が80dB以上の場合だと、障害手当金が受け取れる可能性があります。(治療中の方を除く)
※初診日(病気や何かしらの障害で、初めてお医者様の診療を受けた日)に65歳未満であることなど、支給要件が複数あるため、事前に確認してください。
突発性難聴で片耳が聴こえづらくなると、耳鳴りやめまいなどの不調があらわれるので、仕事に集中できなくなったり、人とのコミュニケーションをとるのが難しくなったりするケースが多いですが、突発性難聴のことをよく知らない方だと、「片耳が聴こえるから大丈夫」という誤った認識から、理解を得るのが難しいときもあると存じます。
ですが、不調を我慢して働き続けると、良い耳の聴力も低下したり、うつ状態になったりするケースもあるので、突発性難聴になったら可能な限りお仕事はお休みし、治療に専念していただくことを強くおすすめします。
突発性難聴は内耳に炎症が出ている状態と考えられていることから、お医者様の治療(保険内治療)では、炎症を抑えるためにステロイドが使われます。ただ、突発性難聴の特効薬ではないので、ステロイドで治る方は3分の1程度、少し良くなる方や症状が固定する方は3分の2程度と言われています。
ステロイドは内服や点滴だけでなく、副作用が少ないとされる「鼓室内ステロイド注入」という治療法もありますが、鼓膜に空けた穴が塞がらなくなり、感染症が起こるリスクが高まるので、くれぐれも複数回の注入にはお気をつけください。
患者様の鼓膜
治療経過
※上記の写真は、鼓室内ステロイド注入を数回しても突発性難聴が治らず、当院に来られた患者様の鼓膜です。穴がぽっかり空いていましたが、レーザーをあてる治療を続けると、徐々に穴が塞がっていきます。
ステロイドの効果を感じられない場合は、鍼治療を始めるという選択肢もあります。お医者様は症状が出ているところを主に診てくださいますが、鍼治療では症状が出ているところだけでなく、全身から突発性難聴を引き起こした原因を探し、根本から改善を目指して治療に取り組んでいます。
お医者様の治療は保険内治療なので、どこの病院にいっても平等に医療サービスを受けることができますが、鍼灸治療は保険外治療なので、鍼灸院によって治療法や効果の出方、施術料金などが大きく異なります。
突発性難聴の場合だと、当院としては正確な聴力の状態が分からなければ、効果的な突発性難聴の鍼治療は出来ないと考えているので、聴力検査ができる鍼灸院を推奨します。
ステロイドの効果がなかったために、当院に来院される患者様は多くいらっしゃいますが、医療用サーモグラフィでお体を診ると、傾向として、ふくらはぎの温度が異常に低い方がほとんどです。
これは、梗塞を起こしやすい体質の方に共通しているお体の状態なので、当院としては突発性難聴でステロイドが効かない方は、梗塞体質である可能性が高いのではないかと考えています。
また、首が曲がり椎骨動脈を圧迫していることも、内耳への血流が滞って聴力回復の妨げになるので、鍼で梗塞体質の改善から血流異常の改善まで、全身をトータル的に治療しています。
治療前
治療後
突発性難聴は労災の対象になりませんが、早期のお仕事復帰や回復を目指すなら、しっかりお体を休めつつ、聴力改善の治療や良い耳を悪くさせないための治療を早く始めることが、最善の道だと存じます。
当院には遠方から来院される患者様が多いですが、リフレッシュもかねて治療に来院されている患者様ほど、良い効果が出ている印象を受けます。
聴力検査、医療用サーモグラフィ、循環器用エコーを使った検査をすると、患者様ひとりひとりに合った治療法のご提案が可能なので、お困りの方は一度当院までご相談ください。
私が書きました
森上鍼灸整骨院 鍼灸師 相良 明範
勤めていた会社が倒産するなど、若いときから波乱万丈な人生を経験。家族の体調不良をきっかけに、鍼灸師になることを志す。感情が表にあらわれにくいが、優しさは人一倍。専門は心療内科と突発性難聴の鍼治療。「聴力の悪化は脳まで壊す」という観点から、患者様のお気持ちに寄り添い、心の支えになる治療を心がけている。
長野県須坂市の突発性難聴専門の鍼灸院です。
お医者様とは違った角度から検査をおこない、突発性難聴を根本原因から解決する鍼治療に取り組んでいます。遠方から来院される患者様も多くいらっしゃいるので、わからないことがありましたら、何でもご相談ください。
原因を素早く見つける
耳鼻科専門の鍼灸院6つの検査
聴力検査
骨導と気導の状態は、幅広い音域を使って「音を聴き分けられるか」を確認し、鍼の効果を最大限に引き出すツボを選定します。
耳管機能の検査
日本で流通している唯一の検査機器で、耳管機能不全の有無を確認し、聴こえを良くするための鍼治療に活かします。
鼓膜と中耳の検査
鼓膜の動きと中耳の気圧状態を確認し、検査結果から中耳炎の後遺症や、顔面神経麻痺後遺症の鍼治療に活かします。
体の歪み
首の側弯は椎骨動脈を圧迫して脳や内耳の血流を悪くするため、モアレトポグラフィで確認し、歪みを治す鍼治療をします。
血流の異常
自然治癒力の低下は血流の異常で分かるので、循環器用エコーで手足や首の状態を確認し、血流改善の鍼治療をします。
ストレス状態
治りを妨げるストレス状態は体表温度に現れるので、医療用サーモグラフィで確認し、自律神経を整える鍼治療をします。
患者様の声
M.I.様長野市
調子が戻り始めました
わたしは何事も頑張りすぎてしまう性格で、多分断れなかった仕事の疲れや寝不足が原因で突発性難聴になってしまったのだと思います。かなりの長時間労働でも労災にならないと知ったときはとても悲しかったですが、給付金があって助かりました。耳もだんだん聞こえが良くなってきてほっとしています。
T.S.様長野県
体調が良くなってきた
両親の介護が重なったときから体調を崩してしまい、耳鳴りがひどくなりました。医者からもらった薬も効かなくて、毎日うるさい耳鳴りのせいで全然眠れませんでしたが、森上さんで鍼をしてからは数日間でだいぶ耳鳴りが良くなって、体調も良いです。
M.S.様新潟県
感謝しています
完全に聴力を失ってないなら普通に生活できるでしょと考えている人が、私の周りにはけっこういて驚きました。一時は体調の悪さに加えて、周囲の人との間に壁を感じて悲観的になってしまいましたが、森上さんのおかげで耳鳴りが落ち着き、音がどこから聴こえてくるのかも分かるようになりました。本当に感謝しています。
※「患者様の声」は 個人の感想です。
疾患により治療法や効果の出方が変わります。
不調の根本原因は人によりさまざまなので、当院では全身検査をしたうえで、その患者様に合った治療法をご提案しています。
分からないことやご不安なことは、「今すぐ無料相談する」ボタンからご相談ください。
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