突発性難聴に治し方はありますか？

お医者様の中には、突発性難聴は「耳に血栓ができた状態」とお考えになる先生や、耳梗塞と呼ぶ先生がいらっしゃり、実際には脳梗塞のように、夜寝ていて血圧が下がっている時・ご飯を食べていて胃に血流が集中している時などに発症することが多いです。

梗塞の起こりやすさは、高血圧や糖尿病などの生活習慣が引き金となることが多いですが、遺伝的要因が関係するケースもあるので、もし直系の近親者に脳梗塞や心筋梗塞を起こした方がいる場合は、くれぐれもご留意ください。

突発性難聴は原因の特定が難しい難聴ですが、「血流障害によって炎症が起きた状態」と考えられているので、お医者様はステロイドで炎症を止める治療をされます。

早くステロイドを投与するほど治る確率も高くなるので、突発性難聴を発症したら、すぐに耳鼻科に行くことが重要です。

ステロイドは、突発性難聴の発症後すぐに投与すると完全に治る場合もありますが、良くなる方は全体の3分の1ほどで、残り3分の2は何らかの後遺症(耳鳴り、耳閉感、めまいなど)に悩まされている方が多いです。

ステロイドで治らなければ、血液循環と神経回復を目的として、アデホスコーワやメチコバールの処方で様子を見たり、病院の設備によっては高気圧酸素療法を勧められたりする場合もあります。

ただ、お医者様の積極的な治療は「ステロイドのみ」なので、ステロイド治療開始から4日ほど経ち8割回復していない場合は、ネットで調べて鍼灸治療を検討する方が多いように思います。
※当院に来られた患者様のお話を聞くと、そのような方が多い傾向にあります。

ステロイドの効果を感じられなかった方は、梗塞体質がゆえに、お薬の効き目を妨げているのかもしれません。

お薬を体に投与すると、血流にのって効き目が作用しますが、梗塞体質の方だと流れが滞りやすく、患部まで薬効が届いていかないことが考えられます。

梗塞体質の方は、ふくらはぎの温度が低くポンプ機能が低下していることや、末梢の温度が低いお体になっていることが多いので、そこから治す鍼治療を始めると、アデホスコーワやメチコバールの効き目も良くなってくると存じます。

慢性的にストレスがかかると、自律神経が乱れて免疫力が下がり、血流を悪化させてしまいます。

突発性難聴の回復には、大量の血液が内耳に必要なので、自律神経異常にも目を向けることが大切です。

また、首が曲がっていると椎骨動脈が圧迫され、内耳まで血液を送ることができなくなってしまうので、首の歪みがあればしっかり鍼治療で治しましょう。

突発性難聴からの回復には、まず安静にすることが大切なので、無理をせずに体を休めましょう。

入院をしてゆっくりお過ごしになられるのが良いですが、入院が難しい方やご自宅であまり休めない方は、通院中はしばらくホテルに滞在していただくのも良いと存じます。

また、鍼治療後は、体についた微細なキズを治そうと細胞が活性化するので、ゆっくり睡眠を取っていただくと、ノンレム睡眠時に体の修復力(自然治癒力)が高まります。

血流を良くするには、お風呂や温泉に浸かって体を温めるのがおすすめです。

39～40度程度のお湯に、10～15分の全身浴をすると、末梢(手足)まで温められるのでお試しください。可能な方は首まで浸かっていただくと、内耳の血流改善にも役立つと存じます。

※熱すぎるお湯に浸かると、神経が高ぶり(交感神経が優位になり)、リラックスできなくなってしまうのでご注意ください。