※今から20年前の話しですが、私の父のベル麻痺がきっかけとなり、顔面神経麻痺の鍼治療を始めました。
治らない顔面神経麻痺にお悩みの患者様に、何か少しでもお役に立てればと思い、発症当時の状況や治療経過などを記載致します。
耳、目、口の異変に気付く
父は、夜に耳が痛かったため痛み止めを飲んで就寝したとのことですが、翌朝目の痛みがあったり、水を飲むと口からこぼれてしまったりすることから、異変を感じて私に連絡してきたようです。
おでこにシワがよるかよらないか・手足の動きに問題がないかを確認し、脳が原因である確率は低かったので少し安心はできましたが、すぐに総合病院に連れていきました。
脳神経外科、神経内科での診察
脳腫瘍や脳出血、脊髄炎が原因の顔面神経麻痺もあるので、脳外科と神経内科で診察がありました。
幸い、父には顔面神経麻痺を起こす障害や病気の発見はなかったので、ベル麻痺で入院することになりました。
ステロイド点滴で炎症を抑える治療
顔面神経麻痺は、顔面神経が通る細い管の中で、少しずつ神経が腫れて壊れていくので、麻痺は時間をかけて悪化します。父の場合は、3日程度で麻痺がピークになりました。
すぐに神経の炎症を抑えることが大切なので、病院ではステロイド点滴がメイン治療となります。
※抗ウイルス剤も使用する場合はありますが、ウイルスの種類の特定に時間がかかることや、増殖を抑える作用しかないために、ベル麻痺では使わないお医者様も多いようです。
麻痺が治らないまま退院、鍼治療をおこなう
父は、片側がほとんど動かなくなる「完全麻痺状態」が続いたまま退院になってしまったので、翌日から1日2回の鍼治療をおこないました。
治療を重ねるごとに父からは、顔が動かしやすくなった・ご飯が食べやすくなったなどの感想を聞くことができ、通院先の耳鼻科の先生も、その回復力に驚いていたようです。
退院後4週間(発症から6週間)で、麻痺はなかったかのように完全に回復しました。
ベル麻痺は、そのままでも70%ほどは1カ月程度で治癒すると言われていますが、2週間経っても回復の兆しが見られない場合は注意が必要なので、お悩みの方はなるべくお早めにご相談ください。