ホスト: 突発性難聴と診断されて、ひとまず治療は終えたのに、今度は原因不明の頭痛に悩まされている。耳の問題だと思っていたのに、どうして頭まで痛くなるのか、この二つは関係があるのか、そして何かできることはないのか、特にあの鍼治療ってどうなんだろうという疑問をお持ちなんですね。その出口の見えない不安な気持ち、本当によくわかります。今回はですね、あなたが共有してくださった資料。長野県にある。 森上鍼灸整骨院の資料と関連する補足資料をもとに、その頭痛の正体と考えられる対策について、一緒にじっくり掘り下げていきましょう。
ゲスト: はい、資料を拝見しました。これは非常に具体的で、リスナーと同じような悩みを抱えている方にとって、多くのヒントが詰まっている内容ですね。
ホスト: ほう。
ゲスト: まず、突発性難聴と頭痛の関係性について。これはあの。 命にも関わる重要な区別から話を始める必要があります。
ホスト: ええ。
ゲスト: その上で、なぜ頭痛が起きるのか、その背景にあるストレス、姿勢、そして治療そのものという三つの隠れた原因を探りまして、最終的にご自身でできることから専門的なアプローチまで選択肢を整理していきたいと思います。
ホスト: よろしくお願いします。今、最初に命に関わる重要な区別という少しドキッとする言葉がありましたね。
ゲスト: ええ。
ホスト: では早速本質からいきましょうか。資料を読んで真っ先に理解すべきなのは、頭痛がいつ始まったかという点。これがすべての分かれ道になると。
ゲスト: その通りです。もし突発性難聴が起きたのと全く同時に、こうバットで殴られたような、今まで経験したことのない激しい頭痛に襲われた場合。
ホスト: 同時にですか?
ゲスト: はい、これは突発性難聴の症状とはちょっと考えにくいんです。資料にも明確に書かれていますが、 それは、脳からのSOSサインである可能性が極めて高い。
ホスト: 脳からのSOS。
ゲスト: ええ。具体的には、脳の血管が破れる脳出血とか、詰まる脳梗塞、あるいは脳を覆う膜に炎症が起きる髄膜炎といった、まあ一刻を争う病気が疑われます。
ホスト: ああ・・・
ゲスト: これらの病気は、聴覚に関わる神経の近くで起こることもあって、難聴と激しい頭痛を同時に引き起こすことがあるんです。
ホスト: なるほど。
ゲスト: だからお医者さんはまず、耳の治療より先にCTやMRIで脳の状態を確認することを最優先するわけですね。
ホスト: なるほど。だからまずその可能性をクリアにすることが大前提なんですね。
ゲスト: はい。
ホスト: ということは、今日ここでお話しするのは、その段階はもう乗り越えたというケースですね。
ゲスト: はい、まさに。あなたのように病院で脳の検査を受けて、そうした深刻な病気の可能性はないと診断された。その上で突発性難聴になった。 後からじんわりと、あるいは断続的に頭痛が続くようになったというケースに絞ってお話を進めていきます。ここからが本題です。
ホスト: 了解しました。その区別は本当に重要ですね。では、脳の病気でもない難聴そのものが直接の原因でもないとしたら、一体なぜ頭痛が起きてしまうんでしょうか。
ゲスト: はい。
ホスト: 資料ではいくつかの背景にある問題が指摘されていました。
ゲスト: ええ、大きく分けて3つ。 つの原因が考えられます。一つ目は、おそらく最も多くの人が感じているであろうストレスです。
ホスト: ストレスですかまあ、突然片耳が聞こえなくなるわけですから、ストレスじゃないわけがないという気はしますけども。
ゲスト: おっしゃる通りですが、そのストレスの質が少し特殊なんです。突発性難聴になると、「キーン」という耳鳴りとか、水の中にいるような耳が詰まった感じ、いわゆる自閉塞感が残ることがありますよね。
ホスト: はい、ありますね。
ゲスト: 問題は、これが1日中、時には寝ている間も続くことです。脳は、この不快な音や感覚を、意味のない、しかし無視できない情報として延々と処理し続けることになります。
ホスト: ああ、逃げ場がない感じですね。静かな場所にいても、自分の頭の中から音がしているわけですもんね。それは脳が疲弊しそうです。
ゲスト: まさに脳の過労状態です。この絶えない刺激によるストレスが引き金となって、自律神経のバランスが崩れ、血管の収縮や拡張がうまくコントロールできなくなる。
ホスト: なるほど。
ゲスト: その結果、もともと偏頭痛の素因がある方とか、気圧の変化で体調を崩しやすい方などは、頭痛が頻発しやすくなるんです。
ホスト: ああ、資料には一時的な対処法として、あえて聞こえる方の耳に耳栓をして、左右の音の入力バランスを整えたり、血管を収縮させる作用のあるコーヒーを少量飲んでみたり、 といった工夫も紹介されていましたね。
ゲスト: なるほど。脳を少しでも休ませてあげるという発想ですね。
ホスト: ええ、ストレスの話はよくわかります。でも、次に挙げられていた「姿勢の変化が原因になる」というのは少し意外でした。聞こえないことで、そんなに体って歪んでしまうものなんですか?
ゲスト: これが驚くほど影響するんです。資料では「姿勢性頭痛」という言葉で説明されていますが、これは 無意識の癖が作り出す、いわば生活習慣病のような頭痛です。
ホスト: 無意識の癖ですか?
ゲスト: はい。例えば、右耳が聞こえにくいとします。
ホスト: はい。
ゲスト: すると、あなたは会議中や友人と話しているとき、無意識に左耳を相手の方に向けようとして、少し首を左に傾け、体をねじるような姿勢をとりませんか?
ホスト: ああ、やりますね、絶対に。 電話をするときに受話器を肩と首で挟むような、あの感じですよね。
ゲスト: そうなんです。
ホスト: 意識しないと、どっちの耳で聞いているかなんて考えもしないです。
ゲスト: まさにそれです。そのちょっとした傾きが毎日何時間も続く。すると、首の片側の筋肉だけが常に緊張し硬直していきます。
ホスト: う~ん。
ゲスト: 問題は、首の骨の中を脳や内耳に血液を送る非常に重要な血管「椎骨動脈」が通っていることです。
ホスト: ほう。
ゲスト: 筋肉がガチガチに硬くなることで、この動脈が圧迫され、血流が悪くなってしまう。これが姿勢性頭痛の正体です。脳や内耳が、いわば酸欠栄養不足の状態に陥ってしまうわけです。
ホスト: うわぁ、それは怖いですね。しかも、この姿勢の歪みって、病院の検査では見逃されやすいという指摘もありました。寝ている状態だと、体の歪みは完全に消えてしまうものなんですか?
ゲスト: 良い質問ですね。完全に消えるわけではありませんが、重力から解放されるので、立っている時や座っている時の歪みはかなりわかりにくくなります。
ホスト: ああ、なるほど。
ゲスト: 病院のMRIやCTは基本的にベッドに仰向けで寝て撮影しますよね。
ホスト: はい、そうですね。
ゲスト: ですから、その起きている時の重力下での歪みというのは、画像診断では非常に捉えにくいんです。
ホスト: う~ん。
ゲスト: だからこそ。 この記事を書いた森上鍼灸整骨院では、モアレトポグラフィーという特殊な機器を使うと書かれています。
ホスト: モアレトポグラフィー?
ゲスト: ええ、これは体の表面に等高線のような縞模様を映し出して、立ったままの姿勢での体の歪みを可視化せる装置です。客観的なデータで歪みを確認するわけですね。
ホスト: なるほど。そして3つ目の原因。正直、資料を読んでいてこれが一番の盲点でした。ステロイド治療の後遺症。
ゲスト: ええ。
ホスト: 普通、副作用というと、薬を飲んでいる最中のものだと考えますよね。でも、資料を読むと、本当の不調は治療が終わった後にやってくる可能性があると。
ゲスト: ええ、これは非常に重要なポイントです。突発性難聴の初期治療では、耳の奥、蝸牛という部分の炎症を強力に抑えるために、短期間で大量のステロイドを投与するのが標準的です。
ホスト: はい。
ゲスト: この治療が終わった後に。 頭痛をはじめとする不調が現れるパターンが、資料によると二つ指摘されています。
ホスト: 二つのパターンですか?
ゲスト: 一つは身体的な不調、もう一つは精神的な不調です。
ホスト: ふむふむ。
ゲスト: まず身体的な方ですが、そもそもステロイドホルモンというのは、私たちの体の中の副腎という臓器がストレスに対抗するために自前で作り出しているものです。
ホスト: ええ。
ゲスト: ところが、治療で外部から大量のステロイドを。 点滴や飲み薬で入れると、副腎があれ、こんなにたくさんあるなら、もう自分が頑張って作らなくてもいいやと勘違いしてしまって。
ホスト: ああ、なるほど。
ゲスト: 生産ラインを止めてしまうことがあるんです。
ホスト: サボってしまうわけですね。
ゲスト: はい。そして治療期間が終わり、外部からのステロイド供給がパタッと止まる。でも、副腎の生産ラインはすぐには立ち上がりません。
ホスト: ほう。
ゲスト: その結果、 体内のステロイドホルモンが一時的に枯渇した状態に陥ります。このホルモンの不足が強烈な倦怠感や気力の低下、そして頭痛を引き起こすことがあるんです。
ホスト: ああ~・・・
ゲスト: いわばホルモンの切れ目に体が苦しむ状態ですね。
ホスト: 病気は治ったはずなのに体がだるいみたいなことが起こるわけですね。それは精神的にも怖いそうです。
ゲスト: まさにそこがもう一つの精神的な不調につながります。
ホスト: ああ~・・・
ゲスト: ステロイドは 脳内の神経伝達物質のバランスにも影響を与えることが知られていて、気分の浮き沈みが激しくなったり、理由のない不安感に襲われたり、うつ的な状態を招いたりすることがあるんですね。
ホスト: はい。
ゲスト: 難聴になったこと自体のショックや将来への不安に、こうしたホルモンバランスの乱れによる気分の落ち込みが重なると、それが身体的な症状、特に頭痛として現れるケースも少なくないんです。
ホスト: 身体と心両面から揺さぶられてしまうんですね。 資料の中で特に印象的だったのが、ステロイドの副作用は、投与が終わった後も進行することが多いという一文でした。
ゲスト: ええ。治療が終わって安心した頃に、また別の問題が出てくるというのは、本当に辛いことだと思います。だからこそ、治療後の不調を気のせいとか疲れで片付けずに、こうした背景がある可能性を知っておくことが、次の一手を考える上で非常に重要になります。
ホスト: 原因がストレス、姿勢、そしてステロイドと複雑に絡み合っていることがよくわかりました。では、ここからは具体的な対策について見ていきましょう。
ゲスト: はい。
ホスト: 自分でできることと、専門家の助けを借りる方法、両方の視点がありますね。
ゲスト: はい。まず前提として、ご自身でできる生活習慣の見直しからですね。ここでの根本的な考え方は資料でも強調されていますが、ただ一つ、全身の血流の巡りを良くすることです。
ホスト: 耳だけじゃなく、全身というのがポイントですね。
ゲスト: その通りです。資料では、梗塞、つまり血流が滞りやすい体質が、突発性難聴やその後の不調の根本にあるのではないか、という見方が示されています。
ホスト: なるほど。
ゲスト: これを改善するための具体的な方法として、3つのポイントが挙げられています。
ホスト: お願いします。
ゲスト: 一つ目は、入浴と睡眠です。特に、就寝の2時間ほど前に、40度前後のぬるめのお湯にゆっくり浸かること。 これがなぜ良いかというと、体を深部から温めることで血管が広がり血流が良くなるだけでなく、リラックスを促す副交感神経が優位になるからです。その後の寝つきがスムーズになり、睡眠の質が向上します。
ホスト: ええ。
ゲスト: 2つ目は適度な運動。
ホスト: 週3 4回のウォーキングとありましたね。
ゲスト: 言葉で言うのは簡単ですけど、体調が悪い時はそれすら億劫になりがちです。
ホスト: そうですよね。だからこそ、ここで重要なのは頑張りすぎないこと。
ゲスト: ああ、息が軽く弾む程度のウォーキングのような有酸素運動は、全身の血流を促進し、特に首から上の血流改善に効果的です。無理のない範囲で、まずは週に2回からでも初めて習慣にすることが大切ですね。
ホスト: はい。
ゲスト: そして3つ目が食生活。味の濃いものや脂っこい食事は、血液をドロドロにし、血管に負担をかけます。これらを避けることは、全身の血管の健康を守る上で基本中の基本と言えます。
ホスト: 当たり前のことのようですが、その一つ一つが血流改善につながっているんですね。
ゲスト: ええ。
ホスト: でも、こうした生活改善だけでは、なかなか追いつかない場合もあるかと思います。そこで、専門的なアプローチとしての鍼治療という選択肢が出てくるわけですね。
ゲスト: はい。資料では、病院の治療と鍼治療の立ち位置の違いがわかりやすく説明されています。
ホスト: ほう。
ゲスト: 病院の薬物治療などが、今ある痛みや炎症といった、症状を抑える対症療法であるのに対し、鍼治療は「なぜその症状が出ているのか」という原因にアプローチする全身治療であると。
ホスト: なるほど。
ゲスト: 東洋医学の未病を治す、つまり本格的な病気になる前の体のバランスの崩れを整えるという考え方が根底にありますね。
ホスト: 原因にアプローチするというのは、具体的にどういうことなんでしょうか?先ほどの姿勢の歪みとか、自律神経の乱れとか、そういう目に見えにくい部分をどうやって見つけるんですか
ゲスト: そこが森上鍼灸整骨院の面白いところです。伝統的な東洋医学の診断に加えて、最新の医療機器を積極的に導入している点なんです。
ホスト: へえ。
ゲスト: 例えば医療用のサーモグラフィー。これで全身の体表面温度を撮影すると、自律神経のバランスが崩れている場所は血流が悪く、青く低温で表示されたりします。
ホスト: はい。
ゲスト: 手足が極端に冷えているとか、首周りだけが熱を持っているとか、そういった乱れが見える化されるわけです。
ホスト: なるほど、経験や勘だけに頼るのではなく、客観的なデータで裏付けを取るんですね。
ゲスト: ええ。他にも、循環器用のエコーを使って、手足や首の血管の血流を直接目で見て確認するとも書かれています。
ホスト: ほう。
ゲスト: こうした全身の検査を通して、先ほどお話しした姿勢の歪み、血流の滞り、 自律神経の乱れといった本当の原因を複合的に特定して、その人に本当に必要なツボを選んで治療を行う。これが、ここでいう原因へのアプローチです。
ホスト: サイトには患者さんの声も掲載されていましたね。特に印象的だったのが、仕事が大工なので、釘を打つ、金槌の甲高い音が響いて耐えられそうになく、もう引退も考えていた~と。
ゲスト: ええ。
ホスト: でも、おかげでまだ続けられそうだという声でした。 これはあくまで個人の感想ですけど、生活を取り戻せたという具体的な改善例は、同じように悩んでいる方にとって、とても心強く感じられるのではないでしょうか。
ゲスト: そうですね。単に頭痛が取れたというだけでなく、その先の仕事に復帰できた、生活の質が上がったという部分に、このアプローチの価値があるのかもしれません。
ホスト: ちなみに、この記事を書かれた著者の方についても触れておきます。森上鍼灸整骨院の院長。 吉池弘明さん、突発性難聴の治療経験が36年にもなる大ベテランで、先ほど話に出た医療用サーモグラフィーを駆使することから、ご自身をサーモグラファーと称して、データに基づいた治療を追求されている方だそうです。
ゲスト: 長年の経験と最新の客観的データを掛け合わせているということですね。非常に説得力があります。
ホスト: さて、ここまで掘り下げてきましたが、今回の内容をまとめるとどういうことになるでしょうか。
ゲスト: まず最も重要なのは、突発性難聴の発症と同時に起きた激しい頭痛は、脳の病気を疑う緊急サインだということ。
ホスト: ええ。
ゲスト: 一方で、あなたのような症状の後から続く頭痛は、難聴そのものではなく、そこから発生したストレス、姿勢の歪み、あるいはステロイド治療の影響といった二次的な問題である可能性が高いということです。
ホスト: そして、それらの二次的な問題のさらに奥深くには・・・
ゲスト: ええ、それらの根底には、耳流の悪化や自律神経の乱れといった、体全体のバランスの崩れが存在するということです。だから、耳だけを一生懸命見つめていても、なかなか本当の原因にはたどり着けない。
ホスト: だからこそ、対策も全身で考える必要があると。
ゲスト: はい、それが最後のポイントです。対策としては、まずご自身で血行を良くする生活習慣、つまり入浴、運動、食事を見直すことが第一歩。 それでも改善が難しい場合は、鍼治療のように体の歪みや自律神経の乱れといった根本原因に客観的なデータをもとに直接アプローチする方法も選択肢として考えられるということになります。
ホスト: ありがとうございました。点の情報が線でつながったように、全体像が非常にクリアになりました。
ゲスト: ええ。
ホスト: 最後に、あなたがこれからご自身の体と向き合っていく上で、何か考えるためのヒントをいただけますか?
ゲスト: そうですね。 今回の話で非常に示唆的なのは、耳という体の一部分で起きた問題が、いつの間にか姿勢という物理的な構造や気分という精神的な状態にまで、こう波紋のように広がっていくという点です。
ホスト: はい。
ゲスト: これは裏を返せば、回復への道筋を考えるときも、耳だけを集中して見るのではなく、体全体のバランスを取り戻すというもっと大きな視点が有効かもしれないということを教えてくれます。
ホスト: 体全体のバランス。
ゲスト: ええ、あなたの体は今、聞こえの問題以外に、この全体のバランスについてどんなサインを送っているでしょうか。それは資料にあったような首や肩の凝りかもしれませんし、寝つきの悪さやちょっとした気分の落ち込みかもしれません。今は辛いかもしれないが、少しだけ立ち止まって、ご自身の体が出しているそうした小さな声に耳を傾けてみること。それが次の一歩を踏み出すためのとても大切なヒントになるのではないでしょうか。
※出典1 月刊ENTONI 「突発性難聴 update」
※出典2 森上鍼灸整骨院 「治療に対する考え」