軽度の突発性難聴は自然治癒しますか？

根本原因を解決しないと再発する可能性がある

突発性難聴は原因がはっきりしない重度の難聴なので、「軽度の突発性難聴」は、そもそもありません。

ただ、原因が分からないものはすべて突発性難聴と診断されるお医者様もいらっしゃるため、小さい音が聴こえづらくなる30～40㏈(軽度)から、走行中の電車の音が聴こえづらくなる60㏈以上(高度)のものまで、範囲が非常に幅広いです。

また、耳鼻科の先生は突発性難聴は再発しないと考えている方が多いですが、当院としては、軽度でも発症した根本原因を解決しない限り、放っておくと再発する可能性が高いと考えています。

突発性難聴のグレード

聴力検査の5周波数の平均をとって、Grade 1: 40dB未満, Grade 2: 40dB以上60dB未満, Grade 3: 60dB以上90dB未満, Grade 4: 90dB以上, めまいのあるものをa, ないものをbグレード分けしますが、今はあまり行われていません。

発症から時間が経過するほど、悪い耳の聴力に引っ張られます

音は、耳と脳との連携があってこそしっかり聴くことができますが、突発性難聴で急に片耳の聴力が低下すると、脳が緊張したり不安を感じたりして、耳詰まりや音の響き、耳鳴りが起こるようになります。

左右の聴力差が大きければ大きいほど、脳が不安を感じて不快な症状が現れやすいですが、発症から時間が経過するごとに、良い耳に負担がかかって聴こえの釣り合いが取れてしまうので、実際には良い耳の聴力が低下しているのに、聴こえが良くなったと感じる危険なケースがあります。

また、発症から時間が経ち、聴力が低下している状態を脳が「正常」と認識し始めると治りづらくなるため、突発性難聴の治療は早い方が良いですし、聴力検査を定期的にしていただくこともおすすめします。

骨導と気導を検査できる聴力検査をすると効果的

突発性難聴の重症化を防ぐには、聴こえの状態をしっかり把握できる聴力検査をすることが大切です。

防音室ではなく通常のお部屋で聴力検査をすると、「音が聴こえているか？」ではなく「音が聴き分けられるか？」が分かるので、聴こえの状態がはっきりと分かり、重症化させないための治療のご提案ができます。

※当院では鍼灸用のオージオメータを使った聴力検査で、重症化を防ぐ治療や、良い耳の聴力を低下させないための治療提案をしております。お困りの方は、何でもご相談ください。

脳梗塞や心筋梗塞の発症につながる恐れもあります

当院はこれまでにステロイドで突発性難聴が治らなかった多くの患者様のお体を検査してきましたが、手足の温度が低くて梗塞を起こしやすい体質の方がほとんどのため、おそらく脳梗塞や心筋梗塞のように、突発性難聴も耳に血栓ができて起こっているのではないかと考えています。

また、突発性難聴のことを耳梗塞と呼ぶお医者様もいますが、耳に血栓ができて発症しているとすると、梗塞を起こしやすい体質を治さない限り、脳梗塞や心筋梗塞などの重大な病気につながる恐れがあります。

突発性難聴を改善することは、のちに起こりうる可能性が考えられる脳梗塞や心筋梗塞の予防にもなるので、症状が軽度の突発性難聴であっても、《早い段階から》 《梗塞体質から》整えていくことが大切です。

治療と並行して生活習慣も見直しましょう

せっかく突発性難聴の治療を始めても、炎症や血流を悪化させるような生活習慣は聴力の回復を妨げるばかりでなく、梗塞体質も進めるため、意識して気をつけましょう。

食事なら、塩分・糖分・脂が多い食べ物の過剰摂取や、アルコールの摂取はできるだけ控えた方が良いです。(ステロイド治療中の飲酒は避けた方が良いですが、終わった後はお酒の量と同じくらいの量の水を飲むようにした方が良いです。)

運動なら、水泳は避け(片耳の聴力低下は溺れる危険性があるため)、ウォーキングなどのゆっくり行える有酸素運動をすると効果的です。

鍼治療はステロイドとは違った効果をもたらします

ステロイドは炎症を止める作用がありますが、鍼治療は自律神経を整えたり免疫力を高めたりする効果があります。

特に突発性難聴では、過度なストレスで血の巡りや自律神経が乱れると発症につながることが多いので、お薬の効果がなかったら、鍼治療で違った方向から治療のアプローチをかけてみるのも良いと思います。

森上鍼灸整骨院の検査

当院では聴力検査をはじめとし、医療用サーモグラフィや循環器用エコーを使った全身検査をしてから、聴力回復の鍼治療に効果的なツボを選定しています。

全身検査をすると、梗塞体質であるのかや、症状を治りづらくさせている自律神経の異常まで分かるので、突発性難聴のことでご不安がある方は、何でもご相談ください。

梗塞体質改善の鍼治療

聴力回復には内耳への血流を良くすることが大切ですが、医療用サーモグラフィ検査をすると、梗塞体質の方は体温が低く、血栓ができやすいお体の状態になっていることが多いです。

体温を確認しながら、鍼治療で「第二の心臓」と言われるふくらはぎの温度を高めると、血流が改善して回復に向かうケースが多いです。